炎症性胃腸障害(IBD)

ある研究によれば、36人の自閉症の子供たちのうち25名が逆流性食道炎(69.4%)、15名が慢性胃腸炎 (41.7%)、24名が慢性十二指腸炎 (66.7%)、また21名の腸内消化酵素の活性が低かったとの報告があります。 逆流性食道炎とは、胃の中にある食物が食道のほうに逆流する事によって炎症がおこる病気です。痛み、不快感を感じ、場合によっては胃液の酸により食道組織に潰瘍を形成します。胃炎とは、感染や食生活の要因などから胃の内膜に炎症をおこすものです。十二指腸炎は小腸の最初の部分である十二指腸に炎症がおこるものです。
また最近では、自閉症の子供に独特な腸の炎症として、「自閉症全腸炎」と呼ばれる病気が見つけられています。 この原因としては食物アレルギー、不適切な消化、重金属毒性、ワクチンによる傷害などが考えられます。 この様な腸の炎症は、栄養吸収不能や腸壁もれ症候群、腸膜の潰瘍形成などの重い疾病につながる可能性があります。


[兆候と症状]
胃腸の炎症に関連する兆候と症状にはいろいろありますが、よく見られる症状を下記に一部紹介します。
1. 逆流食道炎の症状
胸焼け、頻繁なげっぷ、口の中がすっぱい感じ、
胸部の不快感、または痛み、
咳がよくでたり、夜の喘息症状がある
しゃっくり、しゃがれ声、食物、飲み物を飲み込みにくい

2. 胃炎の症状
食後の胃痛、胃の不快感
消化不良
食後の膨満感
臭い息
食欲不振

3. 全腸炎と十二指腸炎の症状
胃痛、胃の不快感
下痢、軟便
おなら
吸収不良
異常な便(色、匂い、硬さなど)
便中の粘液、血便
胃部膨満感
食欲不振
体重減少
体重が増えない
腸壁もれ症候群などの腸膜の傷害


[考えられうる原因]
1. 食事関連の刺激要因
食物アレルギー
グルテン、カゼイン
糖分が高く繊維分の低い食事
食物に添加されている人工添加物、保存料、色素、特定の甘味料、殺虫剤、ホルモンなど

2. 消化機能のアンバランス
腸内の病原菌
イースト菌、ビールス菌などの過剰増殖 (Disbiosis: 腸内菌共生バランス失調)
腸内の善玉細菌の欠如
消化用分泌液の不十分な分泌

3. 薬剤の使用
アスピリンや非ステロイド系抗炎症剤は胃腸粘膜を傷つけることで知られています。抗生物質はクローン病などの炎症性腸疾患をおこす可能性があります。自閉症の子供をもつ親の多くは、抗生物質を何度か使用したすぐ後で症状が現れたと言っています。
コルチコステロイド剤も腸の傷害や炎症に関連性があると考えられています。

4. ワクチン
最近、イギリスロイヤル-フリー病院のウェイクフィールド 博士(Dr. A. Wakefield)その他により、三種混合ワクチン(MMR)が自閉症の子供たちの腸炎(特に回腸結腸リンパ節肥大症)に関連している可能性のある事が発表されました。医学界では、この関連性の有無につきまだ激しく討論されていますが、関連性有りの説をサポートする研究結果が増えてきています。

5. 重金属
近頃焦点を当てられているのが多くのワクチンに使われている保存剤の成分の一つであるチメロサールです。チメロサールの構成は49.6%がエチル水銀であり、他の重金属同様、胃腸の上皮組織を傷つけると言われています。 サリー-バーナード氏 (Sallie Bernard)その他は、水銀の毒性と自閉症との関連について180以上の記事をまとめ“自閉症:水銀毒性の発現の仕方” “Autism: A Novel Form Of Mercury Poisoning”) で発表しています。

6. 腸管内免疫性の低下
炎症性胃腸障害(IBD)は腸管内の免疫性低下の原因であり、また結果でもあります。


[診断]
明白な兆候、症状以外にIBDを正確に診断する方法として、内視鏡または結腸鏡検査を腸の生体組織検査と共におこないます。また、IBDの原因解明策としては以下の検査があります。もし、あなたのお子さんに結腸炎、胃炎または逆流性食道炎が疑われる場合は即座に医師に相談し診断を受けることをお勧めします。

1. 総合的便分析(CDSA)
これにより原因がDysbiosis(腸内菌共生バランス失調)なのか消化酵素の不足によるものか、又は腸内の善玉細菌の不足かを判断します。

2. 有機酸検査
腸内のDysbiosisを調べる場合、この検査も総合的便分析と共に役立ちます。

3. 食物アレルギー検査
食物アレルギーは腸壁の炎症を引き起こすので、アレルギー検査は治療上いろいろな面で役にたちます。

. グルテン抗体検査/ラクトース吐息検査
グルテンやラクトース(乳糖)を食事から完全に省けない時、これらの検査をして子供の乳糖不耐性や腹腔病の有無を確認します。

5. 腸膜透過性検査 :
腸壁もれ症候群の有無、またはその度合いを調べる事ができます。

6. 重金属検査 :
DMSA検査、尿チャレンジ検査、赤血球沈層検等により子供の体内にどの程度の重金属があるかをしらべます。

7. 免疫検査:
分泌IgAを調べる免疫検査は腸内の免疫状態を理解するのに役立ちます。


[治療アプローチ]
炎症性胃腸障害を治療するには、“go-slow”アプローチ(ゆっくりと治療をすること)が最良の方策です。 障害が重度の場合には特に、ゆっくりと、栄養剤から始め、胃腸壁を治癒し、その後で更に特定の治療を行うとよいでしょう。 例えば、コロストラム、必須脂肪酸、L-グルタミン、その他、および5章でも扱われたサプリメント等を使って治療し、その後で、更に特定の治療を行うと良いでしょう。 胃腸の炎症への一般的なアプローチを以下に記します。

1.原因をみつけ、それを取り除く。
グルテンやカゼインは炎症を起こしやすいので、食事から省く。
子供のアレルギー源となっている食物を食事から取り除く。
糖分を減らし、繊維質や栄養分の高いものを与える。(果物、野菜、全粒穀物、まめ類など)
抗生物質、コルチコステロイド、アスピリン等のように腸膜を傷つけやすい薬剤に気をつける。
人工添加物や保存料、色素、特定の甘味料、ホルモン剤等を使った食物をあまり摂取させないようにする。

.不足している消化液、酵素などの補充をする。
食物アレルギーやグルテン、カゼインの過敏症により炎症がある場合は、消化酵素の補充により治癒が進みます。ただ、炎症の度合いがひどく、潰瘍形成をしている場合は、消化酵素の補充により、かえって悪化する場合があるので、医師に相談する事が重要です。
その他、セクレチン、炭酸水素塩やベタネコールが子供によっては効果があります。

3.腸管の治癒と修復
腸内のDysbiosis(腸内菌共生バランス失調)の原因を栄養剤と薬剤で治療する。
プロバイオティックス(腸内有用菌)サプリメントを補充する。
腸壁を修復し、障害を予防する為、栄養剤を使用し、アレルギー源となっている食物や有害な化学物質に気をつける。
- 腸内の免疫性を上げ、腸壁が治癒できるようにする。

4.抗炎症効果のある栄養剤
これまでにも述べたように、炎症を静める作用をもつ自然物質は下記の如くいろいろあります。

コロストラム(初乳)、必須脂肪酸 (フラックスシードオイル、フィッシュオイル、マツヨイ草油)、L-グルタミン、亜鉛、ビタミンE、他のハーブ(アロエ油、アカニン、ゼニアオイの根等)、ビオフラボノイド、等

5.腸内の免疫性をサポートし強化する。
一般に胃腸炎症障害は腸内免疫性を低下させるので、下記の栄養剤等により免疫性を強化するのも良いでしょう。
亜鉛、コロストラム、ビタミンC、抗酸化剤(セレニウム、ビタミンE、コエンザイムQ10、ベータグルカン、ラクトフェリン等

●ここに書かれているガイドラインはあくまでも推奨出来る治療の選択肢であり、症状やその重さの度合いも各個人によって異なることから誰にでも推奨出来る治療対策ではありません。各個人の治療方法については必ず医師と相談して決めてください。
●個々の治療での基本的な処置が他の異なった症状の時のものと重複するものがあります。
●概して服用量についての指示は当社製品のサプリについてだけのものです。他社製品についてはそのメーカーのラベル上の指示に従って下さい。


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