グルテンとカゼイン過敏症

昔から自閉症児の尿中のペプチドの排泄量が高いという定説があります。ごく最近でもノルウェーのDr.Karl Reichelt博士やGreat Plains LaboratoryのDr.William Shaw博士、英国のDr.Paul Shattock博士等が同様に食品ペプチドと自閉症との関係を確認しています。このペプチド値上昇の原因は小麦粉や穀物に含まれるグルテンと全ての酪農製品に含まれるカゼインが消化されない為であると考えられています。
消化酵素の欠乏の為にグルテンやカゼインが消化されずに漏出の進んだ腸管を通って血流に入り込み、脳内のモルフィン受容体と呼ばれる所で反応します。グルテンとカゼインのペプチドがこのモルフィン受容体を刺激すると問題行動、感情、認識力、言語、学習、苦痛感等にかなりの影響を及ぼします。


[徴候と症状]
食品のペプチドは腸管壁を爛れさせ、下痢、軟便、便秘、悪臭便、慢性の腹痛、ガス、下腹部の膨張等直接胃腸障害を起こします。 ある種の食物に固執したり、嫌う子供はグルテンとカゼイン含有物を一切取り除けば完全に解決します。

その他の自閉症児の場合もグルテンとカゼインを除去すると言語、目のコンタクト、睡眠パターン、注意力の持続時間そして集中力等がなり改善されます。


[考えられる原因]
消化不良のグルテンとカゼインのペプチドが漏出の著しく進んだ腸管壁を通過して血流に入り込んでしまうのは自閉症児の腸管の粘膜内にあるDPP-IV酵素の欠乏によるものであることが証明されつつあります。


[診断方法]
1. 尿中ペプチド検査
尿中のグルテオモルフィンとカゼオモルフィン(グルテンとカゼインのペプチドの量を測定する良質の検査ですが多くの医師はペプチドの値が高くならなくともグルテンとカゼイン抜きの食事にすると優れた治療効果があり, この食事療法は非常に重要な治療の出発点であることを強調しています)。
食品アレルギー検査はこのグルテンとカゼインによるオピオイド障害を診断するものではありません。乳製品及び/或いはグルテンを含む穀物にアレルギー反応の出る子供が必ずしもオピオイド障害があるとは限りません。やはりアレルギー検査の代りもしくはアレルギー検査と併せて尿中ペプチド検査が必要です。

2. グルテン抗体試験/ラクトース吐息検査
腹腔病(遺伝性のグルテン不耐性)と乳糖不耐性があるかどうかを調べる補助的検査

3. その他の考慮事項
グルテンとカゼイン抜きの食事療法が最も大切で最大の効果が見られる治療です。


[治療方針/方法]
1. 食事療法
グルテンとカゼインを排除すると共通して自閉症の症状に改善が見られます.唯、グルテンとカゼインはよくアヘンと同じ様な反応を体内で起こすので除去した時に拒食、多動性症状、不眠症、攻撃的行動等の様な禁断症状が起ることがあり、幼少時程(2-4歳)それが顕著に表れます。だからこのような時はグルテンとカゼインの除去は徐々に行うことが肝要です。禁断症状はやがてはなくなります。

グルテンとカゼインの除去は100%完全でなければなりません。何故なら反応を起こす子供はほんの少しでも口にすると良くならないからです。だから親は常に製品ラベルを読むことを身につけなければなりません。グルテンとカゼインは時として隠れている場合があるので非常に重要なことです.
a) カゼインの排除
カゼインは酪農製品に含まれています。対象品目が少ないのでカゼインから始める方が比較的楽かもしれません。まず酪農製品全部(牛乳、スキンミルク、ヤギのミルク、バター、チーズ、ヨーグルト、乳糖,乳清、乾燥酪製品等)を除去して下さい。酪農製品を排除すればそれで良いかというとそうはいきません。殆どのインスタント食品や冷凍食品、缶詰めには酪農製品が使われています。インスタントスープにも含まれています。ベーカリー食品、スナック菓子も確認が必要です。卵やマヨネーズには大体はカゼインは入っていません。

市場にはカゼインが入っていない、米、ジャガイモ、大豆で作られたミルク代替製品が売られています。ただし大豆に反応する子もいるので要注意です。ヨーグルトやチーズの擬似製品等もあります。Lisa Lewis博士による1998年版、「特別な子供用の特別な食事」、Special Diet for Special Kidsという本には何百ものグルテンとカゼイン抜きの食事メニューが紹介されています。
又、Karyn Seroussi著作の「自閉症と発育障害の謎を解く」、Unraveling the Mystery of autism and Pervasive Developmental Disorderという素晴らしい本にも色々な食事についてのアイデアが載っています。

b) グルテンの排除
グルテンの場合はカゼインよりも難しく苦労します。何故ならば多くの製品の中に隠れていることが多いからです。 まず、小麦粉、燕麦、大麦の実、ライ麦、セモリナ粉、スペルト小麦、トリトケール、カムート等の穀物類を避けて下さい。これらの穀類は市販されている殆どのシリアル、パン、小麦粉、ベーカーリー食品、ケーキミックスやインスタント食品に入っています。 人工フレーバー、スパイス、グレービー、ドレッシング等にもグルテンが入っています。
安全な穀類やその代替品は次の通りです: 白米、玄米、甘米、タピオカ、ポテトスターチ、豆の小麦粉(ガルバンゾーやガルファーバー)ひら豆。とうもろこし、大豆。

グルテンの場合、特に難しくなる要素に汚染の問題があります。例えば、ケーキミックスの場合、ノンステイック成分が入っていても製品の成分ではないので製品ラベルに表示されていないものがあります。又、メーカーによっては グルテン抜きの製品とグルテン含有製品を同じ機械を使って製造し、生産ラインの交代時にちゃんと清掃しないことがあります。もし疑わしかったらメーカーに汚染の可能性がないかを問い合わせてSOP(Standard Operation Procedures)標準製造手順書のコピーを求めて下さい.

家庭内の汚染にも十分気をつけて下さい。鍋、まな板、調理器具、皿、カウンター等でも汚染します。グルテンに反応する子供は何百万分の一の量でも反応するのです。だからまな板に残ったほんの少しの小麦のパンの粉でも深刻な影響を及ぼすことになるのです。だから、完全に100%排除
しなければなりません。

2. その他の治療法
a) 消化酵素サプリメントによる栄養補給
ペプチダーゼ活性とDPP-IV活性の高い消化酵素の補充も有効です。唯、あくまでも食餌療法に取って代るものではないことを強調しておきます。 改善された後ペプチターゼ酵素を採っていれば又, グルテンやカゼイン含有食品を食べれるようになると誤解されているけれどもそれはとても危険な考えです.グルテンやカゼイン抜きの食事療法で良くなっても又、それらの食品を食べさせるのは賢明ではありません。

b) 腸粘膜の治癒と修復
大々的な集中治療を行い、腸管を癒し、解毒し、栄養不足を解消し、神 経と免疫系を修復した後、制限は付くものの再び、グルテン、カゼイン含有食品を食べられるようになった例も何例か報告されています.唯そうなる迄には数年はかかっています。


●ここに書かれているガイドラインはあくまでも推奨出来る治療の選択肢であり、症状やその重さの度合いも各個人によって異なることから誰にでも推奨出来る治療対策ではありません。各個人の治療方法については必ず医師と相談して決めてください。
●個々の治療での基本的な処置が他の異なった症状の時のものと重複するものがあります。
●概して服用量についての指示は当社製品のサプリについてだけのものです。他社製品についてはそのメーカーのラベル上の指示に従って下さい。


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