硫酸化不足

自閉症児には食品に含まれるフェノールという成分に過敏な子供が多く見られます。以下の食品はフェノールの含有濃度が最も高いものです。

りんご、オレンジその他の柑橘類、バナナ、ぶどう等のフルーツ
チョコレート、食品着色剤
ある種の薬草と香味料(スパイス)

このフェノールに対する過敏反応はPhase IIの肝臓解毒作用で重要な役割を果たすPST(Phenol Sulfotransferase)酵素システムに関係しています。普通、PSTは硫黄結合と呼ばれているプロセスに関わるものです.このプロセスによって有害なフェノールが硫酸塩イオンと結合して体外に排出されます。

英国の研究者のRosemary Waringという人が調査によると、調査した自閉症児の半分以上の子供のPST酵素システムが適正レベルに達していなかったそうです。これは実際にはPST酵素自体の不足の為ではなく、むしろ血流内の硫黄不足の為です。体内に硫酸塩が不足するとPST酵素システムが十分な機能する為の硫酸塩イオンが生成されないのです。従って、フェノール成分が排出されずに脳や神経系の中に堆積してしまい、それが神経伝達作用を阻害するのです.その為に行動、気分や」神経機能に異常をきたすことになるのです。

更に、この硫酸化のプロセスは普通消化機能を支えるペプチド、胆汁酸、CCK, 分泌性IgA,やセクレチンに必要不可欠なものなのです。だからこの硫酸化不全も自閉症児の消化不良や吸収不良の原因の一つかもしれません。唯単に胃腸障害や食品アレルギーを治す為だけではなく、肝臓のPhase IIの解毒経路をちゃんと機能させる為にもこの問題ときちんと向き合わなければなりません。


[兆候と症状]
硫酸化欠乏とPST酵素の衰退を示す症状は以下の通りです。
フェノールの入った食品への過敏症状
問題行動、神経系及び胃腸系の障害
片頭痛又は家族に片頭痛の病歴
赤ら顔や耳が赤い
目の下の(黒っぽい)くま 
腹部の膨張
乳幼児の時に疝痛(さしこみ)の病歴がある.
慢性の鼻水、鼻後方の滴注
湿疹
喘息j
過度に喉が渇く
寝汗
嘔吐を伴う又は伴わない原因不明の発熱
発汗に伴う悪臭


[原因]
体内の硫酸塩イオンの欠乏によるPST酵素システムの弱体化


[診断]
硫酸化状況を正確に診断するには以下の様な臨床検査を行います。
1. PST判定を伴う肝臓の解毒プロフィール検査
これは一般的な肝臓の解毒プロフィールテストの一部で尿マーカーを使ってPSTの活動を測るのにアセトアミノフェン(タイラノール)の投与が必要。

2. MHPG Glucuronide/MHPG硫酸塩検査
2種類の代謝物質、MHPG GlucuronideとMHPG硫酸塩の割合を測定する尿検査.


[治療方針]
1. 食事療法
フェノールを含む食品の摂取を治療中の期間禁止し、適切な治療後は慎重に徐々に問題の食品を再び食べさせてみる.子供によって食べられる様になる場合とそのままフェノール含有食品を避け続ける方が良い場合があります.

2. 食用サプリメント
体内の硫酸塩イオンの欠乏が問題なのだから硫黄分を含んだ栄養素を補給することはしごく論理的で臨床的にも有効な治療法です。けれども遊離された硫酸塩は胃腸管からの吸収不良の為にある程度症状は改善されても完全に治すことは出来ません。しかし乍ら以下の様な硫黄成分を含むサプリを使って臨床的に良い結果が出ているとの報告も幾つかあります。
Methylsulfonylmethane (MSM), アミノ酸システイン(L-Cysteine又はN-acetylCysteine), 及びアミノ酸タウリン

3. 経皮塗布用サプリメント
経口では硫黄分が吸収されにくいので最近では皮膚から(経皮で)吸収させる方法がより良い結果が報告されています。今経皮で硫黄レベルを上げる最も一般的な方法は以下に挙げる2種類のものがあります。
エプソム塩=マグネシウム硫酸塩のお風呂
これは簡単で安価な方法です.毎日このお風呂に入れることでマグネシウムと硫酸塩の両方の成分が皮膚から吸収されて言語、行動、気分、睡眠パターン、動作、協力的態度等でかなりの改善が見られるとの親からの報告もあります。一般的にエプソン塩の使用量は浴槽一杯の水に2カップです。欠点は肌の乾燥、かゆみを起こす場合があります。その場合には2分の1カップのベーキングソーダを加えると緩和されます。
マグネシウム硫酸塩クリーム
これはエプソム塩風呂の効果をクリームの剤型に再生したものでまだっ比較的新しい治療法ですが非常にポジテイブな結果が出ています。

●ここに書かれているガイドラインはあくまでも推奨出来る治療の選択肢であり、症状やその重さの度合いも各個人によって異なることから誰にでも推奨出来る治療対策ではありません。各個人の治療方法については必ず医師と相談して決めてください。
●個々の治療での基本的な処置が他の異なった症状の時のものと重複するものがあります。
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