前述の様に大多数の自閉症児に診られる胃腸障害の多くは軽度のもので簡単に治せるものなのですが、病理学的に深刻な消化管の問題もあります。そして自閉症そのものの治療を始める前にこれらのアンバランスの状態にきちんと対処することが肝要です。

そこでこの章では自閉症児に多く診られる胃腸障害にはどの様なものがあり、それがどの様に進展し, 何故その障害を克服することが自閉症全体の治療プロセスの中でそれ程重要なのかについて説明します。

1. 腸内菌共生バランス失調Dysbiosis
腸管内の微生物(バクテリア、イースト菌、ウイルス、寄生虫その他の有機体)がアンバランスな状態のこと。善玉菌の正常なバランスが崩れて悪玉菌が増殖している状態。

2. 腸内のイースト菌/カンジダ菌の過剰増殖
  自閉症児に最も共通して診られるDysbiosis菌共生バランス失調のひとつ。

3. バクテリアその他の有機体の腸内異常増殖
自閉症児の腸管内には共通してその他の病原性バクテリア(クロストリジウムデフィシーレ、シトロバクター、クレブシエラ菌や緑膿菌)、ウイルスや寄生虫が認められます。

4. 腸の過剰透過性/腸壁漏れ症候群
慢性の腸管のただれから起るものでグルテンやカゼインへの異常反応や食品アレルギー等さまざまな問題を引き起こす源。

5. グルテンとカゼインへの過敏性
自閉症児の多くはグルテンとカゼインと呼ばれる食物タンパク質を消化出来ずに脳のモルフィン(アヘン)受容体への異常な刺激の為にモルフィネの様な反応を起こします。

6. 食物アレルギーと不耐性
普通腸管の損傷と免疫系の機能不全が原因。

7. 消化不良と吸収不良
食物を消化出来ずに吸収不良を起こし, 腸管から栄養素を摂取出来ない状態。

8. 便秘と下痢
腸の蠕動異常で便の通過速度によって便が硬くなったり、水っぽくなったりする状態.両方共腸に障害があることを示す徴候。

9. .腸の炎症
消化管の炎症、すなわち全腸炎や胃炎、食道炎等。

10, 硫酸化欠乏疾患
フェノール含有食品に敏感な自閉症児は硫酸化というプロセスとPST (Phenolsulfotranserase)と呼ばれている酵素不足の問題がある様に思われます。

11. 胃腸の免疫機能の低下
消化管とその周辺にある免疫組織の機能が低下し、その結果、深刻な免疫
の問題が起きるのです。

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